【今回のラインナップ】
✅ 試合結果と戦評 マンチェスター・シティを粉砕し準々決勝進出
✅ ビニシウスの活躍とファンへの挑発 2ゴールでエティハドを沈黙させる
✅ アルベロア監督の歴史的快挙 モウリーニョとペップを撃破
✅ クルトワの負傷交代とルニンの鉄壁 守護神のアクシデントにも動じず
✅ チュアメニの自信とエムバペの復帰 チームの結束とアフリカ杯の話題も
✅ カンテラーノの躍動 チアゴ・ピタルチがエティハドで先発
✅ グアルディオラとの小競り合い 試合後のリュディガーとの一幕
✅ 場外の舌戦 ホセ・ルイス・サンチェスがバルサ系評論家に反論
✅ マドリードはペップの天敵 近年の対戦成績とシティの巨額投資
■【試合結果と戦評】
マンチェスター・シティとのチャンピオンズリーグ・ラウンド16の第2戦、レアル・マドリードは敵地エティハド・スタジアムで1-2の勝利を収め、2戦合計1-5という圧倒的なスコアで準々決勝進出を決めた。序盤の15分頃、フェデ・バルベルデの個人技からビニシウスがシュートを放つと、ベルナルド・シウバが腕・肘を使ってゴールライン上でクリア。クレマン・トゥルパン主審は当初オフサイドを宣告したが、VARの介入により判定は覆り、シウバにレッドカードが提示されてPKとなった。この判定にエティハドは騒然となった。前半20分、ビニシウスがドンナルンマを欺いてPKを成功させ、0-1と先制。その後、10人になったシティも意地を見せ、ドクのドリブル突破からハーランドが至近距離でシュートを放つなど猛攻を仕掛けた。クルトワがスーパーセーブを見せたものの、前半終了間際、再びドクが右サイドを切り裂き、こぼれ球をハーランドが押し込んで同点(1-1)に追いついた。後半に入ってもシティは3-3-3の布陣で攻撃的に出たが、後半アディショナルタイムにチュアメニの素晴らしいパスに抜け出したビニシウスが、グエヒの背後を取ってこの日2点目のゴールを決め、1-2で試合を決定づけた。レアル・マドリードの次なる相手は、バイエルン・ミュンヘンとなる見込みである。(via MARCA) (via SPORT) (via Estadio Deportivo) (via Mundo Deportivo)
■【ビニシウスの活躍とファンへの挑発】
2ゴールを挙げ、マンチェスター・シティを沈めたビニシウス・ジュニアは、エティハド・スタジアムの観客との間で激しい火花を散らした。先制のPKを決めた後、ビニシウスはコーナーフラッグのシティのエンブレムの上に乗り、スタンドに向かって「静かにしろ」というジェスチャーを見せた。さらに、両手で目をこすり「泣く」ジェスチャーを披露。これは、昨年のバロンドールでロドリが受賞した際、シティファンが「Stop crying your heart out(泣くのはやめろ)」という横断幕を掲げたことに対する明確な意趣返しであった。試合中、シティのファンからは「ロドリ バロンドール」や「お前のバロンドールはどこだ?」というチャントが浴びせられていたが、ビニシウスはそれにゴールとジェスチャーで応えた。さらに、後半アディショナルタイムに決勝点を決めた際には、ユニフォームを指差して勝利をアピールした。この日、合計7本のシュート(枠内3本)を放ち、MOMに選出されたビニシウスは、試合後のインタビューで『私たちの自信にとって非常に重要な試合だ。今シーズンは良い試合がたくさんあったが、このラウンドほど試合をコントロールできたことはなかった。素晴らしいチーム、素晴らしい監督を相手にした難しい試合だったが、私たちは何をすべきか分かっていた。チャンスを活かした。私はたくさん(チャンスを)逃した!でも今日はそれほど多くは必要なかった。これは重要な瞬間だ。大きな試合、この大会がやってくると、このクラブとそのファンが変わることを全選手が知っている。私たちはもっと(先へ行く)準備ができている。次よ、かかってこい』と力強く語った。また、第1戦で自らPKを外していたことについて、『第1戦でフェデ(バルベルデ)に蹴るように言ったんだ。彼は素晴らしい試合をしていたからね。でも彼は断って、私が外した。今日もまた彼に言ったんだけど、彼はダメだと言って、私に全幅の信頼を寄せてくれた。キャプテンとしてすべきことだ。私はゴールを決め、チームの勝利に貢献できた。サッカーの素晴らしいところは、常に次のチャンスがあることだ。そしてここにある。私たちは勝って、ファン、家族、そして私たちのために全力を尽くしてくれるすべての選手やコーチングスタッフと一緒に準々決勝に進む』と、バルベルデとの絆とチームの結束を強調した。試合終盤にはシティのGKドンナルンマと口論になる場面もあったが、最終的にはドンナルンマのユニフォームをもらって和解している。アルベロア監督の就任以降、ビニシウスの得点率は1試合平均0.20ゴールから0.56ゴールへと飛躍的に向上しており、名実ともにチームの絶対的エースとして君臨している。(via Estadio Deportivo) (via SPORT) (via MARCA) (via Mundo Deportivo)
■【アルベロア監督の歴史的快挙】
シャビ・アロンソの後を継ぎ、シーズン途中の1月12日に就任したアルバロ・アルベロア監督は、就任からわずか2ヶ月でチャンピオンズリーグの歴史を塗り替えた。ジョゼ・モウリーニョ(ベンフィカ)とペップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ)という二大名将を同じシーズンのCLで敗退させた史上初の監督となり、しかもその4試合すべてに勝利するという偉業を達成した。CLの決勝トーナメント最初の4試合で全勝したレアル・マドリードの監督も彼が初めてである。第1戦の3-0の勝利に続き、第2戦でもグアルディオラを戦術的に圧倒した。試合後の記者会見でアルベロアは満面の笑みを浮かべ、『2ヶ月前には自分が今いる場所にいるなんて信じられなかっただろう』と率直な喜びを口にした。偉業について問われると、『私がグアルディオラのような監督に勝てるとはあえて言わない。彼はエリートレベルで1000試合近く指揮し、すべてのトロフィーを獲得してきた。彼が指揮してきたのはヨーロッパの最高のチームのいくつかだ。もし私たちがラウンドを突破できたとしたら、それは選手たちの努力のおかげだ。監督としては、相手を分析し、どうやってダメージを与えるかを探る。しかし、1週間前にも言ったように、試合のプランが上手くいけば、すべてが簡単になり、今回のような勝利がやってくる』と謙遜しつつも戦術の勝利を誇った。また、『(モウリーニョとグアルディオラに2つのラウンドで勝利したことは)私に最高の選手たちがいるということを物語っている』『私がやったことは、選手たちの最高のパフォーマンスを引き出し、ピッチで快適に感じてもらい、チームがバランスを取り、一つにまとまり、コンパクトになるように働いたことだ。彼らは私たちが連帯感のあるチームでなければならず、集団的なメンタリティでプレーしなければならないことを完璧に理解してくれた。私には本当に素晴らしい選手たちがいる』と選手を称賛した。シーズン途中での就任の苦労については、『望むならこのシーズンについて本を一冊書けるよ。レアル・マドリードでの毎日は学びだ。確実に言えるのは、まだまだ学ぶべきことが多いということだが、この数ヶ月間、私たちは本当に一生懸命働いてきたし、それを続けなければならない。最も重要なのは、チームと選手たちをどんどん知っていくこと。彼らに、私たちが素晴らしいグループにならなければならないこと、努力なしに報いはないことを理解してもらうことだ』と語った。試合内容については、『彼らは予想通り、激しくプレッシャーをかけてきて、私たちを困難に陥れた。ボールを持った時の忍耐が足りなかったが、言うは易く行うは難しだ。そしてPKの後、すべてが変わった』『後半は無意識にブレーキをかけてしまったかもしれない。ハーフタイムには、勝ちに行き、ボールをたくさん持ち、ゴールを奪うことを話したのだが。しかし、目の前には非常にうまくやる相手がいた』と振り返った。さらに、『重要なのは、それぞれの試合にどう勝つべきかを私たちが学ぶことだ。コミットメント、犠牲、そして職人技。そして何よりも、チームであること。集団としてのメンタリティだ』と勝者のメンタリティを強調。ブラヒム・ディアスの活躍については、『ええ、ええ、彼は素晴らしいラウンドをプレーした。エムバペという非常に大きな穴を埋めなければならなかったので、簡単ではなかった。しかし、彼は守備で助け、攻撃では自由になって、非常によくやってくれた』と賛辞を送った。次のラウンドに向けては、『次に来るものが何であれ、重要なのはそこにいることだ。そして、いつも言っているように、ヨーロッパのチャンピオンになりたければ、最高のチームに勝たなければならない。これが道だ。誰がピッチに立とうと。これはチャンピオンズリーグだけでなく、ラ・リーガについても言えることだ。私たちがチームとして、ブロックとして団結していなければ、彼らは私たちを打ち負かすことができる。誰にでも勝つために戦い、資格を得なければならない』と決意を新たにした。試合後には『彼(グアルディオラ)は私に祝辞を述べてくれ、私は彼に日曜日の決勝(カラバオカップ)の幸運を祈った』と明かしている。(via MARCA) (via Estadio Deportivo) (via SPORT)
■【クルトワの負傷交代とルニンの鉄壁】
前半、シティの猛攻に立ち向かい、ベルナルド・シウバやロドリの強烈なシュート、そしてハーランドの至近距離からのシュートを神がかり的なセーブで防いでいたティボー・クルトワだったが、筋肉に違和感を覚え、ハーフタイムに交代を余儀なくされた。アルベロア監督は『予防措置だった。小さな違和感があり、少しのリスクも冒したくなかった。彼が日曜日にいてくれることを願っている』と軽傷であることを示唆し、マドリード・ダービーへの出場の可能性も残した。後半から緊急出場したアンドリー・ルニンは、2年前の同じ場所での活躍を彷彿とさせる見事なパフォーマンスを披露。ハーランドのシュートを2度防ぐなど、後半のシティの反撃を完全にシャットアウトした。試合後、ルニンは『ティボー(の負傷)は残念だ。我々は怪我で不運な時期を過ごしている。今日は10人相手でも難しかった。我々はやり遂げ、準々決勝に進み、前に進み続ける。GKとしては常に相手にチャンスを与えたくないものだが、ここはチャンピオンズリーグで、相手はシティだ。どんな試合が待っているか、ここで苦しむ瞬間があることは分かっていた』と冷静に振り返った。さらに『シティのような相手に勝つことは常にプラスになるし、良い流れに乗れることを願っている。勝っている時の方が常に働きやすい。我々は同じように改善を続けていく。ティボーについては分からない、医者と話さなければならない。私としてはいつものように、毎試合準備をして、自分ができることを提供するだけだ』と、プロフェッショナルな姿勢を強調した。(via MARCA) (via Estadio Deportivo)
■【チュアメニの自信とエムバペの復帰】
オーレリアン・チュアメニは、試合後のミックスゾーンで確かな自信を語った。『毎シーズン、ここ(エティハド)でマンチェスター・シティのようなトップレベルのチームと対戦している。我々は良い仕事をしたし、自信を持ち続けなければならない』と述べ、さらに『対戦カードを見た時、自分たちのレベルでプレーすれば世界中のどのチームにも勝てることは分かっていた』と語った。CL優勝の可能性について問われると、『なぜダメなのか? レアル・マドリードではすべてが可能だ』と力強く宣言した。アルベロア監督がチームにもたらした変化については、『シャビ・アロンソは信じられない監督だが、アルベロアにも彼のアイデアがあり、そのアイデアで変わったこともある。監督は初日から我々に大きな自信を与えてくれている。ピッチ上で自信を持つのを助けてくれる』と称賛した。また、左膝の捻挫で5試合欠場していたキリアン・エムバペが後半途中(ブラヒム・ディアスと交代)から復帰を果たしたことについて、『エムバペはとても良い状態に見えた。彼は我々にとって重要な選手だ』と喜びを口にした。さらに、アフリカネイションズカップの決勝が、セネガルの試合放棄(一時退出)により、モロッコの3-0の勝利と裁定された驚きのニュースについて聞かれると、『本当? 何と言っていいか分からないが、ブラヒムはきっととても喜ぶだろうね』と笑顔で同僚を思いやった。実際、ブラヒム・ディアスは試合後、エティハドのピッチで自身初の主要タイトルとなるアフリカ杯の優勝を祝福している様子が捉えられている。(via Estadio Deportivo) (via MARCA)
■【カンテラーノの躍動】
この大舞台で、アルベロア監督は18歳のカンテラーノ、チアゴ・ピタルチを第1戦に続いて先発起用した。ピタルチは中盤でティエゴと並んで豊富な運動量でチームを支え、期待に応えた。ピタルチ自身は試合後、『アルベロアは私を同じように扱ってくれる。私たちはそれをとても自然に受け止めている。あまり深く考えないようにして、ピッチで出場時間を勝ち取るだけだ』と、自身の立場を冷静に捉え、クラブの哲学を体現するコメントを残した。(via Estadio Deportivo) (via MARCA)
■【グアルディオラとの小競り合い】
試合終了後、ピッチ上で少し不穏な空気が流れた。ペップ・グアルディオラ監督は、マドリードの選手一人一人に握手をして回っていた。フイセン、フェデ・バルベルデ、マスタントゥオーノ、ビニシウスらとは友好的に挨拶を交わしたが、アントニオ・リュディガーの番になった時、事態は一変した。リュディガーはグアルディオラの手を握ったまま離さず、胸で軽く突き飛ばすような仕草を見せ、何かを強く非難し始めた。事態の悪化を防ぐため、アケ、ドク、ビニシウス、そしてアルベロア監督が慌てて二人の間に割って入った。アルベロアはリュディガーを両腕で抱え込み、その場から引き離した。グアルディオラは笑顔を浮かべ、リュディガーに向けてアイロニーたっぷりにキスを投げながらその場を去っていった。この一連の出来事の原因は明確ではないが、リーグフェーズの対戦後、グアルディオラがリュディガーの退場を声高に主張していたことが背景にあるのではないかと推測されている。(via SPORT) (via Mundo Deportivo) (via MARCA)
■【場外の舌戦】
レアル・マドリードの快勝に、場外でも激しい舌戦が繰り広げられた。バルセロナ寄りの評論家であるホタ・ジョルディは、X(旧Twitter)で「マドリードのまたしてもヨーロッパでのスキャンダルだ。シティに2つのPKが吹かれず、最初のプレーでシティの1人が退場しPK。スーパーリーグを放棄したフロレンティーノへのUEFAからのご褒美だ。恥を知れ!!!!!」と激しく非難。これに対し、番組『El Chiringuito』でホセ・ルイス・サンチェスが猛反論。「いつか止めなければならないと思っていたが、45分が経過し、マドリードがグアルディオラに5-1(合計)で勝ったことを人々に思い出させたい」「『Cules(バルサファン)専用』のディレクターが、自分のフラストレーションをまず判定に、次にビニシウス・ジュニアにぶつけようとしている。今夜、最も耳を傾けるべき声だとは思わない」と一蹴。「エムバペなしで、レアル・マドリードはハーランド、マルムシュ、フォーデン、ベルナルド・シウバ、ロドリ、ドクのいるマンチェスター・シティを倒した。そして我々はPKの話をしている(…)今日はマドリディズモにとって素晴らしい夜だ」とマドリードの勝利を声高に称賛した。さらに、エティハドに駆けつけたマドリディスタたちも、後半の落ち着いた展開の中で「オーレ」の掛け声を響かせ、最後にはペップに向けて「グアルディオラ、残ってくれ」と皮肉たっぷりのチャントを歌い上げた。(via SPORT)
■【マドリードはペップの天敵】
レアル・マドリードは、マンチェスター・シティとペップ・グアルディオラにとって最大の「天敵」としての地位を確固たるものにしている。過去5シーズンのCLで両者は4度激突し、そのうち3度(そして現在3シーズン連続で)マドリードがシティを敗退に追い込んでいる。グアルディオラにとって、最近の対マドリード戦7試合での勝利は、今季のリーグフェーズのベルナベウでの1勝のみである。シティはこの壁を越えるため、昨冬にはマルムシュ(7500万ユーロ)、ニコ・ゴンザレス(6000万ユーロ)、フサノフ(4000万ユーロ)、ヴィトール・レイス(3700万ユーロ)、ジュマ・バー(600万ユーロ)、そして今季さらにゲヒ(2300万ユーロ)、セメンヨ(7200万ユーロ)と、莫大な資金を投じて補強を行ってきた。しかし、またしてもマドリードの前に早期敗退を喫することとなった。試合後、グアルディオラは『このクラブがマドリードと同じ基準を持ち、チャンピオンズリーグで優勝できなければ失敗だとみなされるようになってほしい』と白旗を揚げつつ、『私の最大の挑戦はユルゲン・クロップのいるリバプールだった。君たちはスペインにいて気付いていなかったが』と強がりを見せる場面もあった。(via SPORT) (via MARCA) (via Mundo Deportivo)
【本日の総括】
敵地で強豪マンチェスター・シティを1-2で撃破し、合計5-1の圧勝で準々決勝へと駒を進めたレアル・マドリード。アルベロア新監督の完璧な戦術と、ファンへの挑発も辞さないビニシウスの圧倒的な勝負強さが光りました。守護神クルトワの負傷というアクシデントもルニンの好セーブで乗り越え、チームの揺るぎない結束を証明。ペップ・グアルディオラの野望をまたしても打ち砕き、欧州の頂点へ向けて視界は良好です!